『喜多川泰著/ソバニイルヨ』を読んで。人生の財産とは、最低限を超えること。
こんにちは、moonです。
このところずっと喜多川泰さんの本ばかり読んでいます。
なぜ読むのかというと、
ストーリーがとてもおもしろくて、主人公に共感できて、生きていく上でためになることがたくさん書かれているからです。
このひと月と少し、著者の本は10冊以上手元にあります。
どの物語も不思議な感じで独特な世界観があるのに、とても現実的でした。
リアルなんです。
ほんとうに。
自分の人生やこの世の中に生きる全ての人に関係があることばかり書かれています。
そして生きているとさまざまな問いが生まれていきます。
どうしたら幸せな人生を歩めるのだろう…
どうしたら魅力的な人間になれるんだろう…
どうしたら人生でやりたいことが見つかるんだろう…
なぜ人は働くのだろう…
どうやったら壁を乗り越えられるんだろう…
こんな問いです。
ふとした時に思うこと。
いや、何かのきっかけでこういう疑問が思い浮かぶ。。
喜多川泰さんの本には、こういう問いについての考えが、教えという形で物語を通して込められているのです。
だから私は、そういうふだん自分では答えが出せずにいることを、著者の本を読むことによって学ばせてもらっています。
自分の中にはない視点が、本の中にある言葉との出会いによって物事の考え方や捉え方が少しずつ変化していく。。
そういう言葉に出会える喜びが自分に「もっと本を読みたい」という気持ちにさせるんだと思います。
今回、読んだ本はこちらです。
〈あらすじ〉
ある日、出張でしばらく家を留守にすることになった幸一郎は、中学生の息子・隼人に手作りのAIロボットを置いて、妻と息子のいる我が家を数ヶ月空けることに。
隼人は、部屋に突然現れたロボットに不快感を抱くが、ユージというロボットと話をしていくうちに人生で大切なことを教わっていく。。
人生の財産とは・・・
財産というと、お金やモノが思い浮かんだりする。
でも、この本には、今のためではなく未来の自分のためになるように時間を使うこと。必要最低限を超えようとする時間とその経験が将来の財産になると。
ただ、勉強をすればいいというのではなく、どうやるかか重要なのだと。
こんなことが書かれてあります。
「何をすれば投資になるのかを考えている限り、何をやっても投資にならない」
「何をするかではなく、どうやるか」
「どうやるか?」
「そう、投資になる勉強と、ならない勉強がある。消費か浪費か、それとも投資かは、何をするかによって決まらない。同じ『勉強をする時間』でも消費の場合も投資の場合もある。場所によっては、勉強している時間そのものが時間の浪費になっているってコトも。それを分けるのは『何をするか』ではなく『どうやるか』でしかない」
隼人はユージに聞きます。
「どんなやり方をしたら、投資したことになるの?」
ユージは答えます。
「勉強だけじゃない。何をやろうとするときも必要最低限を超えようとした時間だけが投資にナル。つまり将来の財産にナルってコト、忘れちゃダメ」
最低限を超えるように意識していくと楽しめるようになってくるというのは、自分にも経験がある。
最初は楽しくなくても、工夫したり、その時間をとことんやるぞっていう気持ちでいると収穫があるよね。
イライラしない人は人に期待していない
自分はよく自分の望み通りに人が動かないとイライラしていました。
それは人に期待していたからでした。
自分だったらこうする。だからあなたもそうするのが当然だ、みたいな風に思っていたところがあります。
そんなことを思っていても、イライラは消えないでしょう。。
ユージは隼人に、「期待しないこと」という教えを伝えています。
人がどう思おうと、どう振る舞おうと、どんな言葉を話そうと、自分が他人を思うままに操ることなんて無理なことです。
それに、そんな必要ないし、もしそうなっても楽しくもないでしょう。
期待しなければいいんだ。
それが自分の人生を生きることにもなる。
読んでいて涙が溢れた。。
私は、生き物が好きです。動物が好きです。
しかし、昆虫はニガテです。矛盾しているかもしれません 笑
なんというか、虫とは意思疎通がむずかしいと思っているからかもしれません。
感情を感じ取れないのはこわいのです。
自分にその気がないからというのもあります。(⌒-⌒; )
私は読み進めていくうちに、どんどんAIロボットのユージを可愛く思っていました。
なんとなく愛犬を思う気持ちと似ています。
生き物に感じるような優しさや思いやり、そういうものをロボットのユージに感じていました。
とても素晴らしい、素敵な物語でした。
切ないラストだったけれど、時間の限りがあることで人はその貴重な時間を大切に過ごそうと思えるのだと思います。
無限に続いていくことが約束されていたら、きっと一日一日を大切にして生きようとはあまり思わないかもしれません。
この本から学んだことはたくさんありました。
とても深い学びでした。
著者の考えを身をもって実感できるのはだいぶ先になると思います。
それは自分が意識して実践することでわかることだろ思うからです。
さいごに
思いやりに満ちたあたたかいストーリーでした。
いろんな人に手にとって読んでみてほしい一冊です。
自分の中での常識が本を読み終わると変わっているかもしれません。
ここまで読んでくれてありがとうございます。