BL小説『お菓子の家』を読んで。孤独は必要なものなんだろうか。
こんにちは、moonです。
ブログを書くのが、ものすごく久しぶりだ。。
最近、新しい生活がはじまり、慣れないことが多く記事を書く余裕がなかった。
でも、読んでいた本があって、その物語から孤独について思ったことや感じたことがあったんだ。
今回は、孤独と愛について書きたいと思う。
とても抽象的だけど、私はどうしてかこの二つのことに興味を惹かれる。
お菓子の家: 〜un petit nid〜 (プラチナ文庫)
- 作者: 凪良ゆう,葛西リカコ
- 出版社/メーカー: フランス書院
- 発売日: 2012/09/12
- メディア: 文庫
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主人公は、20代後半の加瀬弘明という。社会でうまくやっていくような明るく前向きな人間とは違っていて、繊細な部分と暗い部分、口下手で人付き合いが苦手な不器用な人間の物語だ。
私は、どちらかというと彼のような人間だ。人とどう付き合っていったらいいのかわからない。無口な方だし明るくいるということにエネルギーが必要だ。
彼はとても孤独だった。私も信頼している友人はいるし、家族もいる。でも、なんだか孤独を感じるんだ。人はみんな違っているから孤独を感じていない人はいないのかもしれないけれど。。
孤独とは、どういうことだろう。
こどく【孤独】
頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。
彼には、こどもの頃に交通事故で両親を亡くしている。親友もいないし親戚もいない。。
だれひとり頼れる人や理解者がいないというのは、どれほどこわいことだろうか。
でも、過去に自分を受け入れてくれた人がいた。その人からもらったものを彼は大事にしていた。これがあれば自分は大丈夫だと。。
私は、彼の感じていることに共感するものがあった。前向きでいることが疲れる。自分をうまく人に表現できない。生きることや人との関係において不器用なこと。
でも、彼は自分と少し似ているところがあるけれど、ものすごくつらい思いをしている。
叔父から受けたむごい記憶と大事な人を愛しているのに傷つけてしまう自分に苦しんでいた。愛している人を大事にしたい、でも、できない。。
それがどんなに苦しいことか、私にはわからない。
ただ、その苦しみが文章から伝わってくるだけだ。彼が小さい頃に愛情をもらっていたらどうだっただろうかと思う。
でも、過去は過去で、未来は変えられないなんてことはないんだ。
彼はこの物語で、ある人たちと出会うのだけれど、その出会いが彼の未来を明るく、温かなものにした。人であるなら、きっと人からあたたかさを感じるのだろう。
孤独を和らげたり、人や生きているものに自然と優しくなれるのは、どうしてだろうか。
それは自分がだれかに愛されていたという記憶があるからだと思った。
自分が愛されて生きてこなかったら、どうやって愛を与えるのか、その方法がわからないんじゃないかな。
彼はきっと愛し方や優しくする方法がわからなかったのだと思う。
本当は彼はとても優しい人だ。お腹を空かせた野良猫にごはんをあげたり、過去に大事だった人をその人のために別れることを決めた。
自分は愛されている、大事にされていることを感じられたら、きっと心が変わっていくのだろう。
彼は、人のあたたかさや優しさを知るまで、とても孤独だったかもしれない。
でもその不安と恐怖を彼は知っているから、出会った人たちから伝わるぬくもりがどれほど幸福なことか実感できるのではないか。。
私は彼が感じている孤独をそのまま理解することはできないし、想像することしかできないから、こんなことを言えるのかもしれない。
それでも、きっとこれから良くなると心の底で思い続けて日々を生きることは、きっととても大切なことだと思う。
さいごに
このお話は、明るくあたたかいだけではなく、苦しさやつらさも感じる。読んでいて「幸せになってほしい」と主人公たちに思うのだ。前に読んだ本で、「親が子どもに望むことなんて、幸せになってほしい。ただそれだけよ。」というような言葉を主人公の母親が言っていた。本の中の彼らには微笑んでいてほしいと思ってしまう。
この本に出てくる人たちは、一人一人が何かを抱えている。その心情がよく表現されている。だから、現実でも私は最初の印象だけで人を決めつけるのはやめようと思った。人それぞれに自分にはわからない事情があるのだろうということを知った。
本から教わることってとても多い。だから、私は本が好きなのだろうか。
たぶん人と話さなくても静かにしていても、誰かの考えや感じ方をその人物が感じるままに感じられるから好きなんだろうなぁ(笑)
今回もありがとうございました。